前回は、すべての労働者との労働契約締結時に関わる変更点についてお話ししました。
ここからは、期間の定めのある労働契約の場合について記載します。
〇変更点② 契約更新上限に関する事項
前回ご紹介した労働条件明示のルールでは
①労働契約の期間
②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
を明示することとなっていますが、
今回の改正では、さらに
更新上限の明示が必要となります。
厚生労働省 モデル労働条件通知書 より抜粋
上の契約書の記載例中の項目3のように、
有期労働契約の締結の際だけでなく、契約更新のタイミングごとに、
更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要となります。
また、更新上限については、新設する場合や更新上限を短縮する場合には、あらかじめ有期契約労働者に説明しなければいけません。
〇無期転換申込機会の明示
無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、[有期労働契約が5年を超えて更新された場合]、[有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込み]により、[期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換]されるルールのことです。
有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込みをした場合、無期労働契約が成立します(使用者は断ることができません。)。(厚生労働省HP 無期転換ルールについて より抜粋)
このルールについても2024年4月から、無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨と無期転換後の労働条件の明示を行うことが求められます。
上記モデル労働条件通知書の中の項目3の下部分が、無期転換申込権が発生した労働者に対する明示の記載例です。
ここまで、2024年4月からの労働条件明示のルールについて記載しました。
契約書は細かい字で色々なことが書いてあるため、口頭で聞いた内容を信じて契約書についてはあまりよく読み込んでいない場合もあるかもしれません。
ですが、今回の改正の内容のように、契約書を交わした時だけではなく、将来の期間に関わる重要な内容も含まれるため、双方が納得のいく契約となるよう、しっかり内容を確認するようにしたいですね。